片方の耳の後ろや目の奥、側頭部・後頭部が痛くなり、脳外科を受診される方がおられます。CTやMRIで異常がなければ、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛の診断で痛み止めや予防薬を処方し治療します。
でも、その痛みは帯状疱疹ウイルスによる痛みかもしれません。
帯状疱疹とは幼児期に感染する水疱瘡のウイルスが原因でおこる皮疹です。
このウイルスは神経に潜伏して、加齢に伴い免疫力が低下すると、再び活性化し、症状をおこします。
耳の後ろには大耳介神経、後頭部には後頭神経、目の奥や側頭部には三叉神経があります。これらの神経に沿った痛みはウイルスが活性化したせいかもしれません。
ひどい場合は帯状疱疹が治ってもダメージを受けた神経が修復されず、痛みが続く事があります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。
帯状疱疹の予防には、50歳以上の方を対象としたワクチンがあります。水疱瘡にかかったことがある人は、すでに水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得していますが、年齢とともに弱まってしまうため、改めてワクチン接種を行い、免疫を強化することで帯状疱疹を予防します。予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、たとえ発症しても症状が軽くすむという報告があります。
実際に、ワクチン接種により頭痛の90%異常が改善したという報告があります。頭痛が起こる頻度が多い方や、頭痛の強さが強い方はワクチン接種をご検討ください。
50歳を過ぎたら気をつけたい 帯状疱疹のはなし | 帯状疱疹.jp
帯状疱疹の症状、原因、後遺症、治療法、予防、予防接種、ワクチンなどの情報を紹介、一般財団法人 阪大微生物病研究会 BIKENが運営するサイトです。
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